料理を提供する際、美味しく食べるためにはという考えが先にあるので、何も気にせず肉も魚も野菜も卵も自由に使い美味しく食べるための食材の組み合わせや味付け、風味、彩を常に考えて作る。
しかしそれが全てではない。
食べる人によって欲求が変わってくるからだ。
体質によって体が受け付けない食材があったり、過去のトラウマで食べれない食材があったり、病気によって摂取を控えなくてはならない食材があったり、宗教的なもので避けなければいけない食材であったり、人それぞれ食の好みや志向がある。
そういったことを提供する立場の者は頭に入れておかなかればならない。
ついつい独りよがりになりメニュー作りをしがちだ。
今回は玄米採食をされているお客様に提供できる炒飯を作ってみた。
卵、ラード、肉類を入れず玄米で作る。
チャーハンを作るうえで旨味食感、そしてなんといってもお米とお米を分離させる卵は欠かせない。
卵を使わないと火を通せば通すほど、お米同士がくっつきあて団子のようになる。
パラパラ炒飯とは程遠いものとなる。
それを避けるには油を多く使うことになる。
それでは油っぽくて美味しくなく体にも負担だ。
そこで初めからコーティング作用となる果皮がついている玄米なら卵がなくても団子にならないで作ることができる。
また栄養価の高い胚芽もついたままだ。
しかしいくら玄米といえど炊き方を炒飯に使えるように炊かなければならない。
水の量、水に漬込む時間、火をかける時間、どの炊飯器を使うか。
これは、お米の品種、採れた時期、保管の時期によってまちまちなのでレシピ通りにはいかない。
あくまでも感覚と慣れになってくる。
炊く前に少量の油を入れ更にコーティング作用を図るのはコツ!
また玄米の摂取は個人差があり、専門家の中でも推奨派と反対派がある。
アレルギーや体調などによって合う人合わない人があるので、玄米・3分精米・5分精米・7分精米など自分の体質体調で選択するとよいと思う。